忍び寄り皮膚を食い破るブユ 一度刺されたら、何年も?残るかゆ~いブツブツ

2022/09/06

    夏の本番がやって来ると、野外レジャーの季節にもなっていく。
    コロナの拡大も気にしてしまいますが、高原や渓流沿いでのキャンプやハイキングなど、自然を楽しむ方も多いと思う。
    夏のファッションの定番といえば、半そで・短パンのため、音もなく忍び寄ってくる虫に気が付かない方も多い。
    夏のキャンプの思い出を台無しにしてしまうブユは、地域によって体長2~5mmほどのハエに似た小さな吸血性の昆虫で、日本では約60種類が知られている。
    中でも、アシマダラブユやキタオオブユ、ニッポンヤマブユなどが人間から吸血して被害を与えていくのだ。
    ブユはハエのような見た目をしているが、切れない水が流れる川沿いに生息しており、卵は水中の植物や石に産みつけていく。
    幼虫は水中で水草や岩などに吸着して生活しますので、川がなければ発生はしない。
    近年は、市街地を流れる川の水質がよくなったため、住宅街などにも現れるようになり、身近に生息する虫なのだ。
    ブユは、蚊と同じく、血を吸うのはメスの成虫のみで、血を養分として卵を産んでいく。
    ブユは強い日光を嫌うため、一般的には朝夕に吸血にやってくるが、曇りの日には昼間でも吸血してくる。
    また、ハエや蚊と違い、羽音を立てずに忍び寄って来るので、皮膚に止まっても気づかないのが特徴。
    そして、のこぎりの刃のような鋭い口器で皮膚を食い破り、流れ出た血をすすられるのだ。
    刺された直後には痛みやかゆみなどを感じないことが多いが、半日くらいするとひどく腫れてきて、かゆみを感じるようになる。
    そして、翌日から数日間は、パンパンになるくらいに赤く腫れ上がり、時にはリンパ管が炎症を起こし、皮膚に赤い線を引いたような症状が見られることもある。
    ブユに刺されて生じる皮膚炎(ブユ刺症)は、ステロイドホルモンの入った塗り薬を塗ることで、ほとんどの場合は1~2週間で治ままっていくが、かゆみがいつまでも続き、かきむしっているうちに硬いしこりが残ってしまうことがあるため、注意が必要だ。
    長い場合は刺されて半年以上、時には数年にわたってかゆいブツブツが残って治りにくい状態が続くようなら、皮膚科専門医を受診し、ステロイドホルモンの貼り薬や局所注射による治療などを受ける必要があるほど。
    ブユに刺されないためには、野外レジャーの際になるべく肌の露出を避けて、長そで、長ズボンに靴下を履くことが大切で、肌の露出部には虫よけスプレーをしっかり噴霧していくことを忘れてはいけない。

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