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ダイソーとラウンドワンが米国で大人気のワケ、共通する「3つの成功ポイント」とは
2022/09/19
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大手100円ショップチェーンのダイソーが、7月にニューヨーク市マンハッタンで初の店舗をオープンした。
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初の店舗ということもあり、行列ができたことで米国や日本のメディアで話題となっている。
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ほかにも、ボウリングやアミューズメントなど複合レジャー施設を運営するラウンドワンは、2010年に1号店をオープン。
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現在では、米国で46店舗を構えるなど好調な事業として規模拡大を続けている。
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この2つの店舗は、現在 日本市場の成長が頭打ちとなっている中で、積極的な米国進出が成功した両社の共通点とは何なのか。
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米国のインフレはガソリン価格の急落でやや落ち着きを見せ始めており、消費財や食品の値段が高止まりし、全体的には歴史的な水準だ。
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そうした中、ダラーゼネラルやダラーツリー、ファミリーダラーなど、米国版100円ショップの「ダラーストア」の人気が高まっている。
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米調査企業GlobalDataのニール・ソーンダース専務は、8月11日の小売業界サイト「リテールワイヤー」で、「中間層の買い物客は、多くの消費をダラーストアに移している。理由は2つあり、1つは支出を切り詰められること。もう1つはダラーストアが市街地あるいは過疎地に出店しており、買い出しのガソリン代が節約できることだ。ウォルマートなど郊外に立地するスーパーマーケットでの買い物は、燃料費が高くつく」と解説している。
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米CNNビジネスも6月8日付の記事内では「リーマン不況以来、米3大ダラーストアは、そのほかのどの小売業者よりも早く成長し、店舗数を伸ばしてきた。また、品ぞろえを拡充することで、一般のスーパーマーケットやドラッグストア、コンビニから客を奪ってきた」と指摘。
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インフレが高進する中で、各ダラーストアはコスト高騰を理由に値上げを実施したが、それでも売上は減るどころか伸びている。
それだけ時代が、ダラーストアに有利な環境を作り出したと言えるだろう。
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消費者の下方移動が進む米国だが、米政府の新型コロナウイルス給付金が終了して1年以上が経過している。
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ダラーストア訪問の目的が「自由に使える支出」から「少しでも安い食品や消費財の購入」に変化してきたと、米経済専門局のCNBCが報じた。
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現在では、物価上昇のペースが賃金の伸び率を上回り、多くの労働者で実質上の収入が減少しているため「ショッピングを楽しむ余裕」がなくなってきたように見える。
一方、ボウリングやアミューズメントなど複合施設を運営するラウンドワンも、米国でそのユニークさを武器に伸びている。
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2022年3月期(2021年4月~2022年3月)の決算では、46店舗を構える米国事業の売上が321億3,000万円で、コロナ前を2億1,000万円上回った。
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ラウンドワンの魅力は、ボウリング場に飲食ができるゲームセンターが併設されている店は米国では珍しく、米メディアが好意的に取り上げてくれるのだ。
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2019年12月にラウンドワンがメリーランド州ボルティモアに店舗をオープンした際には、地元紙『ボルティモア・サン』が取り上げており、当地商工会議所のナンシー・ハフォード会頭の「本当にワクワクしている。わが国のアミューズメント施設とは違ったものだからだ」というコメントを紹介した。
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ここでも、「日本」という差別化要因が効いていることが分かる。
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同紙は、「プレーしたポイントをためることで、日本でしか入手できないお菓子やおもちゃ、おみやげに交換してもらえる」ことを強調していたため、人気のひとつだ。
しかし、米国に46店舗を構えるラウンドワンは適度な現地化も行っている。
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アリゾナ州ツーソン店が開店した2019年10月の地元メディアは、「アーケードゲームなどはすべて日本のものだが、食事のメニューは米国のパブのようだ。ハンバーガーやチキンウイング、ピザやモッツァレラチーズのスティック、チュロスなどが注文できる」と報じていた。
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さらに、子供の誕生会向けスペースレンタルも好評だ。
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飲食の価格は低めに抑え、1ドルのアイスや一缶3ドルのビールが人気だという。
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こういったことから、家族そろって楽しめる施設として人気をを得ている。
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