髪の毛振り乱しての育児…インスタに娘の〝キラキラ〟写真上げる理由「理想の母像」示して得る承認と癒やし

2022/09/07

    今や日常生活に欠かせないSNS。
    その中で時々目に入るのが、赤ちゃんなど子どもの写真を載せている投稿である。
    全体をきらびやかに加工したり、楽しげな文言を並べたハッシュタグをつけたりなど、「映え」を狙ったと思われるものも少ない。
    映えを狙う人の意見としては「フォロワーから認められることで、子育てを続ける活力が欲しいと思った」と語っている。
    インスタグラム上で投稿を続ける母親の一人は、背景事情についても話してくれた。
     
      今回話を聞いたのは、長女(6)と暮らす、東京都在住のお母さん(41)。
      複数のSNSアカウントを持ち、中でもインスタグラム(インスタ)を積極的に利用してきた方だ。
       
        やすはららさんが所有するインスタアカウントは、投稿を全体公開している公私兼用、鍵つきの完全プライベート用の二つがある。
        そのうちの鍵つきの方で、生後間もない頃から、長女の写真をアップしてきたようだ。
         
          さかのぼること6年。
          お母さんは出産を機に、縁もゆかりもない都内に、家族と引っ越した。
          「身寄り以外に、子育ての悩みを共有する仲間が欲しい」そう考え、自治体が主催する初子と暮らす親向けの子育て教室に参加し始める。
           
            そこで出会ったのが、インスタを駆使する母親。
            野菜で離乳食を作る動画など、育児関連のコンテンツを制作し、数千人のフォロワーを擁してきた。
            また、他の親と出会うきっかけになると教わり、お母さんもアカウントを開設する。
             
              このときの心境を「教室に出ていたママたちも、同時期にインスタを使い始めました。乳児と過ごしやすい温泉宿についてなど、育児に役立つ情報をみんなでシェアし合った。教室を卒業し、互いに会う機会が減っても、近況を確認し合うための手段になりました」と語っている。
               
                始めのうちは、インスタでの発信方法がよく分からなかった、お母さん。
                まず他の親の投稿を観察することにしました。すると、子どもの画像を起点として、親同士のコミュニケーションが生まれる場面に気がつく。
                 
                  当初は、長女の腕や頭などを接写した画像のみ選んでいた。
                  ただ、可愛さを打ち出したい気持ちが強まり、顔入りの写真の割合も徐々に増えたといいます。投稿する際、スタンプで目鼻を隠すなど、顔立ちが分からないよう加工し始めたのだ。
                   
                    「インスタの育児アカウントの中には、おむつ姿の赤ちゃんの全身写真をアップしているものがありました。更に、自宅周辺で遊ばせている子どもを撮影した、未加工の画像も見かけたんです。トラブルの原因になりかねないと感じていました」
                     
                      また「鍵つきアカウント上の投稿であっても、第三者が悪意をもって、写真や文章を拡散するかもしれない。その前提で、アップする画像を選んできました。内容について『気に入らない』と思った人物が、炎上させてしまう可能性もありますから」
                       
                        幸いにして、親子が、インスタ上に公開した写真が元で不利益を被ったことはない。
                        しかし一方で命名書や幼稚園の制服など、慎重に扱うべき子どもの個人情報を含む画像を、無警戒に掲載する親は少なくないのが実情だ。
                         
                          だからこそ、最初に大人こそがSNSの使い方を学び、わが子と知識を共有していくべきだ。

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