【フェラーリ】ディーノの歴史に迫る

2022/03/22

フェラーリから出ているディーノはご存知だろうか?
     
      フェラーリの名前を冠するには相応しくないと当初考えられたディーノ。
      しかし、手頃なスポーツカーとして、若くして亡くなったエンツォの息子の名前を冠した(本物のV12を積んだフェラーリと区別するための)モデルは、206Sプロトタイプとして、1966年のトリノショーでベールを脱いだ。 当初は、新しいフォーミュラ2用の2リッターエンジンをベースにしたユニットを積むことになっていた しかし、ショーカーにはエンジンは積まれることはなかった。
      また翌年から「ディーノ・ベルリネッタGT」として生産に移された車は、 ピニンファリーナ・デザインで、主にスカリエッティ製造の軽合金製ボディをまとっている。 そして、トリプル・ウェバー4カムV6エンジンは180bhpを生みだし、バランスに優れたシャシーに十分な活力を与えていた。
       
        その後、アルミボディの206Sが157台だけ生産。 スチールボディの246(排気量が拡大された鋳鉄ブロックのV6は195bhpを発生)に切り替わった。 また、プレスによるスチールパネルは、マラネロで初めてのことだった。 ある意味、当初は"格下扱いされた"ディーノというレッテルで1974年まで生産されたが、トータルではこれまでにない生産台数(GTSを含めておよそ4000台)を記録。
         
          フェラーリの運命と技術的な方針を一変させた出来事だったのだ。
           
            ディーノ自体は革新的ではなかったものの、技術が洗練されていた。 シャシーはスチール鋼管製。
            4輪ディスクブレーキ、ラック・ピニオン式ステアリングを採用 そして、何よりも軽量(1080kg)であった。 150mph近い最高速を備えていたからだ。
            例え、大人気のスペックを備えていなくても、美しいプロポーション。 可愛らしさと剽悍さが適切にブレンドされたスタイルが強みなのだ。 また、現在の標準から見てもコンパクト。 また、ドアノブ、室内などの簡潔で繊細な装飾も魅力の一つである。
            室内シートは、赤いインサート付きのいわゆるデイトナシートを採用。 インテリアは黒に統一されている。 目の前には270km/hまでの速度計と油温計、油圧計、水温、燃料、電圧の各ダイヤルが並び、レヴカウンターは10000rpmまで刻まれているが、オレンジのレヴラインが7300rpmに引かれ、7750~7850rpmはレッドゾーンになっている。 もっとも、新しく組み上げられたエンジンだけのために、4000~4500rpmにも暫定的なラインが引かれていた。
             
              実際に乗車してみると、速度が増すにつれてステアリングは申し分のない手応えと重さを示すが、コーナーではさらに発揮する。 また、小さなステアリングホイールをほんのひと押しすると、ディーノは鋭すぎると感じるほど痛快に向きを変えた。 ハンドリングに頼りなさはまったく感じられないことが、ディーノの特徴となっている。

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