首相コロナ感染で波紋 「岸田マジック」息切れか。 危機管理不足との指摘相次ぐ 菅前首相の対比も

2022/08/18

    21日。岸田文雄首相の新型コロナウイルス感染が判明した。
    岸田首相は、6日間の夏休みを取ったあと22日から公務に復帰する予定だったが、外遊見送りなど影響や波紋が広がったお盆明けの同日、霞が関や永田町では対応をめぐり、危機管理不足や油断を指摘する声が相次いだ。
    また、菅義偉前首相(衆院神奈川2区)との対比まじりの批判も聞かれたことから、就任1年で衆参両院の選挙を勝ち抜いた「岸田マジック」も息切れ気味なのだ。
     
       このことに関して省庁の幹部は、「ゴルフや温泉を満喫して『さあ仕事』という時に感染とは。さぞかし本人もばつが悪いだろう」と推測した。
      また先日行った内閣改造は、タイミングがお盆のさなかとあって、各省庁に戸惑いが広がっていたばかりだ。
      これに対しても官僚の間では「総理は将来の感染を予測して組閣を急いだのではないか」との冗談も聞かれた。
       
        岸田総理の内閣は、実績がまだない中で迎えた総選挙を突破。
        感染拡大の下でも高い支持率を維持して参院選も乗り切った実績がある。
        また、関係者の間で語られる岸田首相の「強運」の背景が「菅総理の置き土産」だと言われている。
        その置き土産とは「高齢者医療費負担の増額」「福島第一原発処理水の海洋放出」の方針決定である。
        つまり「菅総理が在任中に処理して岸田さんに持ち越さなかった。これなくして両院選挙の勝利はなかった」(内閣府職員)との理屈なのだ。
         
          この事態だけに関係者の間では、菅前首相の昨年8月の過ごし方を引き合いに現首相の行動への疑問が広がっている。
          当時、官邸から公表された総理日程によると、前首相が休んだのは議員宿舎で過ごした29日のみ。
          21日午前に人間ドックの再検査に出向いた以外は、全て公務や面会をこなしていた。
          このことに自民党幹部は「五輪やパラリンピックがあったからだが、菅総理は業務を優先して会食などそれ以外の活動は自粛した」と振り返っている。
          ただ、「2大国政選を乗り切った岸田総理には油断があるようだ。菅さんのような緊張感が足りない」と苦言を呈している。
           
            官邸では、7月から松野博一官房長官をはじめ秘書官らの感染が相次いでおり、そんな中でも岸田首相は会食を続け、夏休みも家族で旅行に出向いている。
            野党は「危機管理がなっていない」(立憲民主党幹部)と追及の構えで、官邸スタッフは「ここへ来て旧統一教会の問題など悪い材料ばかり。感染まで政局にされてはたまらない」とため息をついた。

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