ダニ?いや…トコジラミ! 激しいかゆみ、すさまじい繁殖力

2022/12/29

    「南京虫」と呼ばれ、戦後の日本ではびこっていた害虫トコジラミ。
    一度は国内で途絶えた被害が、2000年代からじわじわと増えている。
    その症状は、夜寝ている間に血を吸われ、腕や足など数十カ所に赤いかみ痕ができ、激しいかゆみに襲われるものだ。
    トラジラミに関して、日本ペストコントロール協会が把握する相談件数は、09年から10年間で5倍以上に増加している。
    また、その理由はインバウンドや旅行で海外との往来が増えたことで、国内に流入していることだ。
     
      トコジラミは、名前に「シラミ」が付くがトコジラミはカメムシ目であり、丸く平らな体で体長は5~7ミリほど。
      卵からふ化して1カ月ほどで成虫になり、雌は1日5、6個、生涯で数百個の卵を産むとされているため、すさまじい繁殖力を持っている。
      トコジラミは、夜行性で人や動物の血を吸い、日中は寝室周辺の壁や家具、寝具の隙間に潜んでいる。
      毎年7~10月ごろ、トコジラミに関する相談が相次いでいたが、2021年頃から徐々に減っていき「コロナ禍で海外との行き来が減ったからでは」とみている。
       
        記者が初めて被害を確認したのは5月末。夫の首元に1円玉サイズの赤い斑点ができたと思っていると、数日のうちに腕や足など十数カ所に広がった。
        その後、激しいかゆみを覚えて皮膚科を受診すると、「ダニではないか」と診断された。記者自身も手足のあちこちに斑点が生じ、がまんできないかゆみに襲われた。
        寝室にしている和室にダニ用殺虫スプレーを大量散布したものの、全く効果ない上に日を追うごとにかみ痕は増えていく。
        そしてある日、体長1センチ弱、赤褐色の丸い虫がふすまを歩いているのを発見し、その特徴やかゆみの症状をネットで検索した結果、トコジラミにたどり着いた。
        すぐにドラッグストアで、駆除対象にトコジラミを明記している殺虫剤を購入。
        畳の裏や押し入れの隅など虫が隠れそうな隙間にくまなくスプレーを噴射し、くん煙式の殺虫剤も仕掛けたが、翌日には押し入れの隙間を歩く虫たちを見つけ、無力感にさいなまれた。
         
          駆除作業は「75度で一定時間加熱すると死滅する」「羽がないので移動は歩きで」「名刺1枚の隙間に入り込む」などの特徴に基づいて行っていく。
          事前の準備として、寝具や衣服を全て熱乾燥機にかけた。
          実際の作業では、まずカーペットやソファに高温スチームを当ててあぶり出し、液状の殺虫剤を和室の鴨居や畳の縁、カーテンの溝、家具の裏、床から高さ30センチ程度の壁などに、刷毛で丁寧に塗り込んでいく。
          その後は、設置型のトラップを仕掛けるなどし、1回目の作業は終了。
          駆除しきれなかった卵がかえったと想定して、2週間ほど間隔を開けてもう一度作業したところ、被害を根絶することに成功した。
          トコジラミに対応できる業者が増えているが、駆除の方法や価格は幅があり、迷うところでもある。
          そのため「被害範囲や家のつくりによって方法や価格は異なるので、まずは下見と見積もりを取るべきだ」と思う。
          作業後に再発した場合、無料で作業をやり直す保証プランなども活用するべきだ。

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