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「一流大学卒も三流卒も10年後の成果に差はない」日本電産・永守重信が偏差値よりEQと確信した衝撃データ
2022/12/15
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■社会に出て活躍できる人、できない人
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偏差値の高い大学を出ているのに成果をあげていない人は、与えられた仕事はうまくこなすものの、自分から率先して仕事をとってきたり、創意工夫して良い方法を考え出したり、状況の変化に応じて自ら判断して動くことが少ないためだ。
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そのため、一般的に上司の指示を待っている「指示待ち族」が多いように思える。
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一方で、偏差値の高い低いにかかわらず、何かに打ち込んできた人や個性の光る人は、何でも前向きに取り組み、人が嫌がるような雑務もこなす人間性がある。
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こうした人たちは、自ら問題意識を持って仕事に臨むため、みるみる実力をつけていき、入社してから数年後には大きな成果を出していることがほとんどだ。
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以上のことから、結局、入試のときの偏差値が高い大学を出たからといって、社会に出てから活躍できるというわけではないことがわかる。
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■日本の名経営者には一流大学出身者が多くない
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これまで日本が生んだ優れた経営者や実業家たちに目を向けてみると驚くべき結果がわかる。
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パナソニック創業者の松下幸之助さん(尋常小学校中退)やホンダ創業者の本田宗一郎さん(高等小学校卒。後に高等工業学校の聴講生を経験)、サントリー創業者の鳥井信治郎さん(商業学校中退)のように、大学を出ていない人もいることだ。
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もちろんこの方たちはほんの一例に過ぎないが、そのほかの名だたる経営者にも、一流大学出身者はそれほど多くないのが実情である。
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人間の能力には知能指数の「IQ」と感情指数の「EQ」の2つがあるといわれている。
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IQ(Intelligence Quotient)の高い人は知能が高いため、当然、学校のテストでは有利になる。これまでの日本企業でもIQの高い人材が重宝されてきた。
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しかし、IQの高い人材が社会に出て成功するとは限らないのが最近の実情である。
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実際に、医学部試験に受かった人が必ず立派な医者になるわけではないし、有名大学の卒業者だけが会社に入って売り上げをあげたり、新製品を開発したり、リーダーシップを発揮できるというわけではないからだ。
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特に今は昔とは経済環境が激変しており、単に頭の良い人が成功する、あるいは性能の良い製品をつくりさえすれば売れるという時代は終わっている。
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こうした時代の変化とともに、企業の求める人材も知能が高いだけの人材から、人間としての総合力が高い人材に変わってきている。
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つまり、EQ(Emotional Intelligence Quotient)の高い人が重宝されているのだ。
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■IQは伸ばしにくいが、EQは後天的に伸ばせる
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覚えておくべきなのは「EQは努力や経験によって後天的に伸ばせる」ということである。
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IQには遺伝的な要因が大きく影響しているため、努力しても簡単には上がらない。
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一方、EQは遺伝などの先天的要素が少なく、経験や学習、努力によって上がっていくため、人間の筋肉のように鍛えれば鍛えるほど上がっていくのだ。
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■情熱と教育がすべてを決める
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このように、結局は情熱と教育がすべてを決めていると言っても過言ではない。
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日本電産を創業したときも、私を含めて社員は皆、有名大学や一流大学の出身ではなかった。しかし、お金も知名度も実績もないなかで我々は大企業の2倍働くと決め、会社の理念の一つである「知的ハードワーキング」を必死に続けた結果、世界一のモーターメーカーに成長することができたのだ。
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会社を大きくしてきた創業メンバーは皆、我が社の大幹部になった。
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また、これまで画期的な開発をしてきたからこそ世界一のモーターメーカーになれたわけだが、その開発をしてきた社員たちだって一流大学出身というわけではない。
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IQよりEQの高い社員たちが懸命に働き、持てる潜在能力を大いに発揮したことが、大きな飛躍につながったと信じている。
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話を受験勉強に戻そう。
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皆さんのEQを高めるにはどうすれば良いのだろうか。
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それには大きい夢を持って、将来こうなりたい、この学部に行きたい、この学問を学びたいという強い意志を持つことが、この日本を変えていくことにもつながっているのだ。
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