マックは今年2度目…「外食値上げ」ラッシュ止まらずカレーもラーメンも高根の花に

2022/10/28

    10月に入り値上げラッシュが本格化している。
    食べ物やビール、清涼飲料水、家電、玩具……など、何もかも値上がりをしている。
    その中でも外食も例外ではない。
    サラリーマンに身近なハンバーガーや牛丼、ラーメンなどがどんどん高くなっている。
    10月は、年内最多となる6699品目が値上がりする(帝国データバンク調査)。
    そのため、9月の2424品目に比べ2.8倍となっている。
    帝国データによると、月間の負担増は加工食品が2560円、酒類・飲料は1285円、菓子814円、調味料524円、そのほか乳製品や油脂製品、パンなど合計で5730円に達する。
    年間に換算すると、約7万円の増加になる。
    「今日からおかずを1品減らすからね」
    50代後半のサラリーマンMさんは奥さんにそう宣言されたそうだ。
    そもそも、最近どうも品数が少ないと感じていたのに、もう1品減ったら……一汁一菜が現実になる。
    「健康のためにはそれが一番。外食も当分なしだからね。そんな余裕はまったくないのよ」
    続けざまに奥さんは言った。Mさんは、月1~2回程度の楽しみを奪われたらしい。
     
      このような状況に対して、第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストはこう話す。
       
        「値上げは当分継続するとみています。円安の影響は大きいでしょう。3月は1ドル=115円程度でしたから、144円だと25%を超す下落幅です。輸入物価は1.5倍ほどになっていますし、いったん、値上がりした価格は簡単に下がりません。しかも円安の影響は川上だけでなく川中(加工食品など)に及んできたようです」
         
          物価上昇をあらわす消費者物価指数(8月)は前年同月比2.8%(生鮮食品除く)アップしている。
           
            「値上げされる品目が多い10月は3%を超えてくると思っています。その数値が公表されるのは11月中旬です。心理的なダメージは大きいかもしれません」(熊野英生氏)
             
              外食に限れば、この1年で3%を超す値上がりをした品はたくさん存在する。
              小売物価統計調査(総務省)の資料を基に、今年と昨年の8月の値段(全国平均)を比較してみると、
              最も上昇率が高かったのは、193円→214円のハンバーガーで11.1%。
              牛丼は444円→485円(9.0%)、回転すし(1皿)は169円→182円(7.6%)だ。
              そのほか、3%以上の上昇率を記録しているのはうどん(4.3%)、日本そば(4.3%)、中華そば(3.0%)、天丼(3.4%)、ギョーザ(3.1%)、豚カツ定食(4.7%)、宅配ピザ(3.5%)、サンドイッチ(3.0%)、コーヒー(喫茶店、3.2%)、コーヒー(セルフサービス店、5.8%)がある。
               
                価格アップの動きを東京都区部(23区)で見ると、ハンバーガーは2021年11月まで180円あたりで落ち着いていたが、12月に値上がりし、22年3月以降は急カーブを描いて上昇、今年7月には200円を突破。8月は205円まで値上がりした。
                回転すしも22年3月ごろから価格アップが顕著だ。
                 
                  「魚介類の高騰が回転すしを直撃しています。ロシアのウクライナ侵攻でエネルギー価格が上昇し、そこに円安が追い打ちです。家計が逼迫するなか、外食産業は一段と厳しさを増していると感じます」(株式評論家の倉多慎之助氏)
                   
                    カレーライスは20年8月の708円から値上がり傾向で、22年2月に一気にアップ。現在は多少、落ち着いているものの735円で、2年前と比べると3.8%高くなっている。 うどんは680~690円だったものが、700円を超す水準に値上がりだ。
                     
                      この事態はどこまで続いていくのか。

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