静岡限定ハンバーグ「さわやか」、県外からもファン殺到だが「全国展開」しない理由

2023/01/18

    「さわやか」の歴史について。
     
       「さわやか」は、1976年に創業したグリーン観光株式会社が、翌年に第1号店となる『コーヒーショップさわやか 菊川本店』を静岡県の菊川市に開店。
      このコーヒーショップは欧米圏を中心に広まっていた店舗形態であり、コーヒーから軽食まで用意しているファミレスのような飲食店だった。
      この第1号店のときから主力商品は『牛肉100%・炭焼きハンバーグ(190g)』というハンバーグで、税込680円という低価格で販売していた。
      このハンバーグが好評を呼び、1980年に2号店となる『コーヒーショップさわやか 掛川本店』を出店。
      1989年には会社名をさわやか株式会社の店名を『炭火焼きレストランさわやか』に変更するまでに4店舗を出している。
      その後、本格的にハンバーグを中心とした今と同じ事業形態になり、現在までに静岡県内に34店舗を展開するチェーン店となっているのだ。
       
        そんな「さわやか」だが、どれくらいの売り上げと人気を獲得しているのか。
         
          それについて社長はこのように語っている。
           「2021年度の売上高は年商72億円を記録しており、静岡限定のローカルチェーンということを鑑みると異例の好成績です。ですがこうした数字上の記録よりも、地元住民への浸透ぶりの方が印象的ですね。
           
             静岡県の三島市に友人がいるのですが、『今度そっちに行く用事があるよ』と伝えると『じゃあさわやかでも行く? 』とすぐに返事が来るくらい、県民にとって自慢のローカルフードかつソウルフードになっている印象があります」
             
              しかし、混雑時には入店まで数時間待ちとなることや営業時間終了前にお肉が完売してしまうことがあったりなど、その人気の高さを裏付けるエピソードは枚挙にいとまがない「さわやか」のハンバーグ。
              その魅力はどこにあるのか? 
               「率直に言って、シンプルにすごく美味しいのです。看板商品の『げんこつハンバーグ』(税込1155円)は、文字通り大人のげんこつサイズのハンバーグで、注文するとアツアツに熱した鉄板に乗せて提供されます。さらに、目の前で店員さんがそのハンバーグをナイフで2つにカットし、断面を鉄板にジューッと押し付けて最後に加熱して完成するという、ある種のショー感覚も魅力でしょう。」
               
                このように語っている。
                 
                  「さわやか」が料理の味やホスピタリティにこだわることができているカラクリについては
                   
                     「一般的に飲食業界では、人件費や材料費といった経費のバランスを保とうとするものですが、『さわやか』は食材への費用の割合がかなり大きい印象があります。また、実際に足を運んでみると社員教育も実に徹底されており、そのホスピタリティはかなりハイレベル。この高いクオリティーを実現しているカラクリは、店舗の立地にあります。  というのも、『さわやか』は駅から徒歩圏内といった電車で好アクセスの店舗が少なく、基本的には車で来店することを前提としたロードサイドに多くの店舗を展開しています。その理由はもちろん土地代の安さ。こうして店舗の賃料を節約することで、その分料理の味やホスピタリティを高めることに費用をかけられるのです。また、車で来店するということは、ある程度目的を決めて来るお客が多くなるということで、“選ばれる理由”が必要となってきますが、ここで“『さわやか』のハンバーグ”というブランドがうまく作用しているのでしょう」
                     
                      このようなお客様を思う気持ちと立地などが合わさったことから、さわやかのハンバーグは人気を博しているのだ。

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