ソニー、部品不足改善でPS5大幅増産 PCやモバイル向けゲーム拡大

2022/06/16

    ソニー・インタラクティブエンタテインメントは、2020年に発売した最新機種「PS5」は世界的な半導体不足などの影響で計画を下回る状況だった。
    しかし、ジム・ライアン社長は26日、供給網(サプライチェーン)の制約が緩和しつつあるとし、家庭用ゲーム機「プレイステーション5(PS5)」の生産を大幅に増やす方針を明らかにした。
    また、「これまで達成したことない水準で生産を増やしていく」とも語った。
    同社長は、3年目に実際の稼働台数でPS4との差を縮め、4年目に追い抜く計画だとした。
     
      22年度のPS5の販売計画は前年度比57%増の1800万台。
      世界的な半導体不足や物流網の混乱で制約がかかるが、ライアン社長は「状況は改善している」と話す。
      今後、段階的にPS5の供給量を増やし、発売4年目となる23年度までにPS5の累計販売台数で、前機種PS4の4年目を上回る方針としている。
       
        ソニーはPS向けだけでなく、パソコンや携帯端末向けのゲームも増やしていく。
        今年は発売するタイトルのうち、PS4と5向けが全体の3分の2以上を占める見込みだが、25年には新作のほぼ半分がパソコン、携帯端末向けになるという。
         
          PS5は日本や中国で生産し、部品には、半導体受託製造の世界最大手・台湾TSMCの製品が使われていると、専門家の見方から考えられる。
          また、生産面のリスク耐性を強化するため、部材を複数サプライヤーから調達し、物流網を確保するための交渉をしていたことも明らかになっている。
           
            PS5(ディスクドライブ搭載版)の通常価格は5万4978円(税込)。
            しかし、この値段設定は、製造にかかるコストとほぼ同じか下回る金額のようだ。
            2021年1月29日付の「日経XTECH」記事には、電子部品に詳しい技術者の話として、PS5の原価は「販売価格499米ドルと同等程度ではないか」と報じた。 さらにソニーグループの2020年度第3四半期決算(2021年2月3日発表)の説明会資料によると、PS5の販売をめぐっては「ハードウエアの製造コストを下回る戦略的な価格設定による損失」が生じたという。
             
              現状で製造コストを本体価格が下回っているとすれば、さらに部材が高騰し、吸収しきれなくなったときにどうなるのか専門家が注目している。

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