弁護士に聞いたNHK受信料の支払い義務は本当に“ない”「チューナーレステレビ」人気

2023/12/25

    近年、チューナーレステレビが話題を呼んでいる。チューナーレステレビとは、その名の通りチューナーがついておらず、地デジを受信できない仕様のテレビだ。「NHK受信料を払わなくて済む」といった謳い文句で売られることもあり、NetflixやU-NEXTなどの動画視聴が主な用途とみられる。
    そもそもチューナーレステレビにない「チューナー」とは、アンテナで受信した信号から映像や音声を取り出す装置で、テレビのほとんどに内蔵されている。
    チューナーレステレビ(以下、チューナーレス)は従来の薄型テレビと同じ形状だが、チューナーが内蔵されておらず、地デジを受信できないようになっている。
    基本的には有線LANまたはWi-Fiでネットにつなぎ、NetflixやHulu、U-NEXTやアマゾンのPrime Videoなどで配信している動画を視聴する。ちなみにチューナーレスの多くは「Google TV」や「Android TV」などのOSを搭載しており、スマホと同様に動画の視聴は各アプリを介して行う。Nintendo Switchなどのゲーム機とつなぎ、モニターとしての使用も可能だ。
    チューナーレスには、従来型のテレビと同様にさまざまなサイズがあり、HD・フルHD・4Kなど機種によって対応する解像度も幅広い。
    価格は数万円台が多く、サイズ・画質によって異なるが10万円を超えるものはあまり見かけないのもポイントだ。
    従来のテレビは大手家電メーカー製が多いのに対し、チューナーレスは中国メーカーまたは国内の無名企業が製造することも多く、部品コストを抑えているため安くできている。ただし、その分画質や音質はあまり高くないといった意見も聞かれる。ちなみにチューナー自体は数千円程度なので、その有無が価格差に影響するわけではない。チューナーレスはドンキの発売をきっかけに注目されるようになったわけだが、その前提として動画配信市場の成長は見逃せない。
    国内における同市場の規模は18年に2000億円を突破、22年は4530億円と推計され、27年には5670億円にまで伸びる見込みだ。
    一方で、リアルタイムにテレビを15分以上視聴する「行為者率」は年々下がっており、ゆるやかだがテレビ離れは進む。このような現状において、各動画視聴サービスの利用者から「従来のスマホやPCではなく大画面で観たい」という需要が現れ、チューナーレスの購入者が増えたと考えられる。
    そして、チューナレステレビを大々的に取り上げているドンキの経緯を見る限り、リニューアルで新製品の音質や画質が向上していることから、高品質を求める声も大きくなっていることが分かる。現在のチューナーレスは従来型のテレビよりも安いものが多く、音質・画質にこだわったハイエンド品は新たな需要を呼び込めそうだ。そう考えると、NHKの受信料と合わせて話題になることが多い。チューナーレス市場の今後に注目したい。

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