弁護士ドットコム。有給休暇が取れない時は労基へ

2023/02/04

    体調が悪くなり会社を休む場合、まだ消化していない有給休暇を当てることはできるのか。弁護士ドットコムには「体調が悪いため明日有給を取りたいと派遣会社に連絡したところ、有給を認めてもらえませんでした」という相談が寄せられています。
    相談者の妻が働く派遣会社は、身内などに不幸があった場合を除き、7日前に申請しないと有給扱いにできないという規定がある。
    そのため、直前の申請は欠勤扱いとなると説明。
    今回のケースのように、前日や当日など、直前のタイミングで有給申請をした場合、有給は認めてもらえないのか。
    そもそも有給の取得日はどのように決められているのか。
    労働基準法は、従業員が有給取得日を指定する権利を持つことを前提として、それが「事業の正常な運営」を妨げる場合に、会社は有給取得日を変更できるという形で調整を図っている。
    つまり、従業員が希望する日に有給をとることができるのが原則ではあるが、「事業の正常な運営」を妨げる場合は、会社は有給取得日を別日に変更できる、というのが基本的なルールなのだ。
     
      では、いつまでに申請しなければならないという制限はあるのか。
      実は、有給申請の締め切りについて、法律上の規定はありません。
      そのため、就業規則などで、有給の申請は7日前までに行うことなどのルールを設定している会社も多く、判例は、このような定めは合理的な内容である限り有効としている。
      このような定めがある会社では、一応そのルールにのっとって事前に有給を申請しておくのが無難なのだ。
      しかし、そもそも会社が有給日を別日に変更できる根拠は、「この日に有給をとられると『事業の正常な運営』の妨げになる」という理由のみ。
      例えば相談者の方が同僚らに事情を説明し、同僚らが相談者の方の業務をカバーしてくれる体制をとれているようであれば、前日や当日の申請であっても、会社側は有給の取得を認めるべきなのだ。
      また「原則7日前までに申請が必要だが、代替要員を確保するなどして担当業務に穴をあけないよう手配を済ませている場合は前日の申請でも可」など、有給のルールを分かりやすい・使いやすいものに変えていくことは可能だ。
      もし、有給取得のルールが不透明、7日前に申請しないと有給をとれないなどで困ってるなら、弁護士または労働組合を通じて会社側と協議することがオススメだ。

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